なぜ海外遠征に挑むのか
ちょうどチームから3名、12月17日からまた香港遠征が控えています。
スカッシュは、日本ではまだまだマイナースポーツに分類されます。
とはいえ、日本全体のレベルは着実に上がってきており、
世界の舞台で戦う選手たちも少しずつ増えています。
チームとしても、活動紹介で触れたように、年間2〜3回の海外遠征にチャレンジしています。
「海外遠征=日本代表クラスが行くもの」
そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
あるいは、「まず国内で勝ってからでいいのでは?」
という疑問も自然だと思います。
もちろん、国内で優勝を目指すことは大切です。
実際にそれを実現している選手たちもいます。
結果は非常に重要です。ですが、海外遠征には結果だけではない価値があると考えています。



自分の「現在地」を正確に知る
海外のジュニア選手と対戦すると、
自分の現在地が驚くほど明確になります。
- 通用した部分
- まったく通用しなかった部分
- 想像以上に戦えた部分
こうした差が、国内よりもはっきり見えてきます。
さらに試合だけではなく、
海外では選手自身が考える時間も圧倒的に増えます。
- 試合に向かう準備
- うまくいかなかった時の切り替え
- 1日の終わりにどう振り返るか
こうした内側の成長が深く起こるのも、海外遠征ならではです。
費用がかかる。それでも「行く価値」がある理由
海外遠征には、参加費・渡航費・宿泊費・コーチ帯同費など、
1大会で30万円、ヨーロッパならさらにかかることもあります。
このコストもかかりながら、結果が出なければ、2〜3試合で終わってしまうことさえあります。
では、それでも挑戦する意味はどこにあるのでしょうか。
その答えは、結果までのプロセスにあると考えています。
海外遠征が決まってから、勝つためにどう準備し、どう練習を変えるのか。
帰国後に、現地で感じた課題をどう練習に落とし込み、次につなげるのか。
こうした取り組みこそが、海外遠征の価値を最大限に高める本質だと思っています。
海外で感じる「衝撃」が成長のきっかけになる
多くの選手が海外でまず感じるのは、
「同年代でこんなレベルの選手がいるのか」
「通用すると思っていたことが通用しなかった」
という現実です。
この衝撃は時に悔しいものですが、
「ではどうすれば勝てるのか?」
という視点で取り組みを変えるきっかけになります。
そして、日本代表を目指すなら、
そのときに対峙する相手は国内ではなく、他国の選手たちです。
試合が行われる国も環境も毎回違います。
海外の生活リズムや環境に慣れておくことも必要になります。
さらに言えば、国内のライバルたちもまた、海外で勝つことを基準に戦っています。
同じ意識を持っていなければ、置いていかれることになります。
海外で広がる「つながり」も財産になる
アジアの同年代の選手たちとの交流ができるのも、
海外遠征の大きな魅力です。
アカデミーの選手たちの中にも、
- 海外の大会でよく当たるライバル
- 目標にしている選手
- 同じ大会に出る仲間
といった存在が生まれています。
彼らと切磋琢磨できる環境は、国内だけでは作れません。
競技力だけでなく、人としての視野や価値観が広がる経験でもあります。
最後に
海外遠征は、海外で勝つためだけのものではありません。
- 現実を知ること
- 自分と向き合うこと
- 世界基準で考えること
- 同年代のトップ選手と競い合うこと
そのすべてが、長い競技人生において大きな財産になります。
チームとしても、これからも世界で戦うという視点を大切にしながら、海外への挑戦を続けていきます。
ぜひこういった選手達への応援のほど、よろしくお願いいたします。